いくつかの国でインターネットサービスプロバイダに接続するのに、ブロードバンド接続 (ADSL やケーブル TV) の一般的なプロトコルは、PPP over Ethernet (PPPoE) です。インストーラでは、PPPoE を用いたネットワーク接続のセットアップをサポートしていませんが、非常に簡単に設定できます。この節ではその方法を説明します。
また、インストール中に PPPoE 接続をセットアップすると、インストールしたシステムを再起動した後でも有効になります (7章新しい Debian システムを起動してみる 参照)。
インストール中に PPPoE をセットアップし使用するには、CD-ROM/DVD イメージを使用する必要があります。その他のインストール方法 (例: netboot) では、サポートしていません。
PPPoE でのインストールは、他のインストール方法とほとんど同じです。以下で説明するステップが異なるだけです。
ブートパラメータに modules=ppp-udeb
を指定してインストーラを起動してください。これにより、PPPoE のセットアップに使用するコンポーネント (ppp-udeb
) を確実に読み込み、自動的に起動します。
通常のインストール初期化手順 (言語、国、キーボードの選択、追加インストーラコンポーネント[22]の読み込み) を行います。
次のステップでは、システムにあるイーサネットカードを特定するのに、ネットワークハードウェアを検出します。
この後、実際の PPPoE のセットアップが始まります。インストーラは、PPPoE コンセントレータ (PPPoE 接続を扱う一種のサーバ) を見つけるのに、検出したすべてのイーサネットインターフェースを調べます。
最初の試行では、コンセントレータが見つからない可能性があります。これはネットワークが遅い・負荷が高い場合や、サーバ側のエラーで起こる可能性があります。ほとんどの場合、2 回目の試行でコンセントレータの検出に成功します。再試行するには、インストーラのメニューにある
を選択してください。コンセントレータを検出した後、ログイン情報 (PPPoE のユーザ名とパスワード) を入力してください。
インストーラは、先ほど入力した情報を用いて PPPoE 接続を確立します。正しい情報を入力していれば PPPoE 接続の設定を行い、インストーラはその接続を用いてインターネットに接続し、(必要なら) パッケージを取得できます。ログイン情報が正しくない場合や、何かエラーが発生した場合、インストーラは停止しますが、メニューの
を選択して、設定を再度行えます。[22] ppp-udeb
コンポーネントは、このステップの追加コンポーネントの 1 つとして読み込まれます。優先度を「中」「低」でインストールする場合 (エキスパートモード)、ブートプロンプトの 「modules」 パラメータに入力する代わりに、ppp-udeb
を選択することもできます。